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スキーの用具

あらゆるスポーツの中で用具の進化がある一つにスキーを上げて良いだろう。

スキーの板に目を向ければ素材はここ10年以上大きな変化は無いがサイドカーブや板全体のバランスは随分進化している。


1930年代スキーの板は合板で作られるようになってずいぶんと壊れないようになった。

その後、1960年代以降スキー板はグラスファイバーの素材を使い始め1970年代以降カーボンで強化したり芯材にアルミアロイのメタルが使用されてきた。バインディングも進化してブーツも革製からプラスチック系の素材になった。

1980年代になるとバインディングはようやくワンタッチ式の金具になり流れ止めをすねに巻かないようになった。
ブーツは競技系では相変わらずフロントバックルだったが一般スキーヤー向けにリヤエントリーのブーツが出て一世を風靡した。


この後、用具はどんどん進化して1990年代前半には今までの考え方で作られた完成系と言われるようになった。

1995年になるとニューコンセプトスキー(ニューサイドカーブスキー)が開発され始めた。
後のカービングスキーである。
補足するとカービングの由来は『掘る』と言う言葉から来ている。カーブする(曲がる)ではない。
このカービングスキーによって一般スキーヤーは扱い易さとターンし易さの両方を得て、競技スキーヤーや高速スピードのまま鬼門を通過するようになる。
一般スキーヤーはまだしも競技スキーヤーは大きな横Gを受ける事による体力的な問題が出てきてサイドカーブのRを規制するようにFISは動くようになる。男子の規則で言うとRが23から27へ、これから33に変わる。
レギュレーション変更時はターン弧の半径が広がるからスピードダウンするが、各メーカーの技術開発によって目に見えない進化をどんどん遂げていく。
進化は競技スキーばかりでは無い。一般スキーヤー向けはより乗りやすく動作に忠実にターン弧が描けるようになってきているし、用途に合わせた様々なスキー板がでている。
バインディングはドイツのDIN規格でソールの長さと体重に技量(速度)から算出される解放値をクリアするには基本的な進化は少なくなったがスキープレートと一体化する金具が出てきて雪上高を利用してさらに深くエッジングできるようになった。(この高さは競技スキーでは随分前からFISが規制している)
ブーツはリヤエントリー方式は入門者用に特化されフロントバックルが支流になった。素材も柔らかく操作性に優れた物に変わったが耐用年数が短くなり5年を越えると加水分解が始まりシェルが割れてしまう場合がある。

細かく書けばもっと沢山の進化があるが簡単に書くと上記になる。

他のスポーツと違うのは、その用具の進化が明らかにある事。
何も、新しい用具を進めないが未だにカービングスキー以前のを使用しているのはスキーの楽しみ方をスポイルしているように思う。

スキーの用具_a0293308_17113234.jpg

by urochiiko | 2012-12-06 08:00 | 日記


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