ワインの熟成(続き)

以前も書いたが、ちょっと違う切り口。
ある程度のワインは熟成する事により果実味が押さえられ柔らかく複雑な香りと味わいになる。
これを、ワインを造っていた時代に照らし合わせてみる。

参考までに下記はフランスのブルゴーニュやボルドーでの事。

今から50年以上前はワインのボトル(瓶)を衛生的に洗浄する事が出来ず、洗浄するにあたりコニャック等のアルコールの高いもので濯いでからワインをボトリングしていた。
この頃のブルゴーニュワインで現在も風味豊かなワインが現存するのはこのコニャックがわずかながら残留しているのが1つの要因ではないか?とされている。
ブルゴーニュのドクター・バロレ・コレクションはその例だろう。
(注)比較的新しいヴィンテージのドクター・バロレが市場にあるらしいが上記の本家とは無縁の商標ワイン。


1970年代はまだ農家が葡萄を栽培しネゴシアンがワインを販売しているような時代でクラシカルなワインが大半であった。
プルムールで出荷されたものは全くそのポテンシャルを見せず長い年月をかけて熟成する事により初めて進化の出るワインばかりだった。
ネゴシアンも膨大なストックを持って順次出荷していた。
よって、現在この頃のワインは何とも言えぬ素晴らしい香りがする。
ただし、醸造技術や栽培法は当時のやり方だから現在と照らし合わせて高品質か?は別問題。

1990年代に入ると世界的に大きなシェアを持つアメリカ系の色合いが濃くインパクトがあり樽香のするワイン系が一斉を風靡した。
より濃いワインを造るためにワインを濃縮プレスにかけたり、収穫時期を意図的に遅らせたり様々な工夫がされた。
誤解無く申し上げるがこれはコンサルタントが作った時代の流れであり、アメリカからの要望ではない。
そして、ワインは消費者に美味しく飲まれて初めて評価されるようになった。
この時期は亜硫酸の添加量やノンフィルターでのボトリングなども取り入れられた。
このワインを今飲むと、綺麗に熟成しているワインとぎこちないワインがある。
特に、ブルゴーニュの白ワインで著名な生産者からぎこちない熟成ワインが起きている。
私の自宅近くの酒屋でもルイ・ジャド社の1996年ムルソーが異常な茶褐色に変わっていて、処分販売されている。
この議論はお偉い先生方が色々やっているので割愛する(笑)
綺麗に熟成しているワインはパワフルな部分が丸みを帯びている。
私の現在手持ちのワインもこのあたりが主流。

2000年代になり樽香の強いワインは敬遠され葡萄果実が前面に出てくるワインが多くなってくる。
ボルドートップシャトーのマルゴーでは大半のプリムールが10年のうちに消費されるのだから、プリムールからある程度美味しく飲めるワインにシフトしていると言う。
現在、このようなワインで2000年のワインを飲むと確かに優しい熟成に感じる。
まだ、未知な部分だがプリムールから美味しく造っている点、長い年月の熟成はどうなのか?じっくり見守りたい。


かなり、端折った内容になったがワインは人が造るものだから、その方向性は時代と共に変わっている。

そんなワインに巡り会える素晴らしい生産者に感謝。

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by urochiiko | 2013-03-30 08:02 | 日記


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